『ナショナル・ポートレート・ギャラリー』にやってきました。
Camelです。


『ナショナル・ポートレート・ギャラリー』
- 世界最初で最大の肖像画専門美術館
- 全3階のフロアに約1300点の肖像作品が常時展示
- 1856年、当時の国会議員スタンホープ伯爵が「イギリスの歴史上、優れて立派で後世に伝わる人物の肖像展示施設の設立」を訴え誕生
ギャラリー誕生のきっかけになった1枚<チャンドス・ポートレート>
テイラー<チャンドス・ポートレイト>

文化政策が議会を通過するには時間がかかるものですが、このギャラリー設立をスムーズに進めた一枚の絵がありました。それがこの1枚。
国会議員で詩人だったエルスミア伯爵フランシス・エガードンがまっさきに彼が所有するシェイクスピアの有名な肖像画<チャンドス・ポートレイト>(かつての所有者チャンドス公爵の名をとってそう呼ばれている)をコレクション第一号として寄付することを決め、
これをきっかけに議会は美術館創設を承認することになりました。
そして2006年春、
ギャラリー開館150周年を記念して
「シェイクスピアを探して」という特別企画展を開催。
この企画に向け美術館側はシェイクスピアの肖像画数点をX線調査、詳細な科学的分析を進めたところ
なんとびっくり。
<フラワー・ポートレイト>と呼ばれる有名な作品の顔料の中に19世紀にならなければ出てこないはずの成分が検出されたのです。
それがどう見ても修復目的の分量ではないと判明。
もともと専門家の間では贋作疑惑があったようですが、この一件で科学的裏付けに成功したのです。
それだけではなく。
シェイクスピアの肖像画として流布している6点の油彩画のうち、本物の可能性があるのは、同ギャラリーが所蔵する例の<チャンドス・ポートレイト>1点のみとする最終報告がなされた。
『楽しいロンドンの美術館めぐり』出口保夫・齊藤貴子(著)
そんな偽物だらけのシェイクスピアですが、
ガッカリニュースばかりではなく、
2009年ロンドンで新たに生前の肖像画が発見されました。
まだまだ謎多きシェイクスピア。
現状本物とされているシェイクスピアの<チャンドス・ポートレイト>はギャラリー最上階の一番奥の壁にひっそりと展示されています。
続いてこちら、名作かどうかは置いといて。
<エドワードVI>

※加工してません。
ひたすら肖像画が並ぶこのギャラリーにおいてもひときわ目を引くこちら。画像を引き延ばしている訳ではなく。本当にこんな横長なんです。
絵を覆うケースの側面に小さな穴が空いていて、覗くと。

おぉ!
楕円形に潰されていた絵が、ほぼ正円に。
真横から見るために額縁の側面も絵に合わせて丸くえぐられています。
一体どこに飾るためにこんな絵を?
シェイクスピアばりに謎の肖像画を鑑賞したら
「王室スキャンダルコーナー」へ
続く。
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