『テイト・モダン』にやってきました。
Camelです。

1980年、ミルバンクにあるテイト・ギャラリー(現・テイト・ブリテン)は、急増する収蔵品の別置を検討する必要に迫られた。なかでも20世紀美術の展示館の建設が急務だった。そして、ちょうどその頃使用されなくなったバンクサイド発電所のレンガ造りの建物を全面的に改修する案が浮上した。

『楽しいロンドンの美術館めぐり』出口保夫・齊藤貴子(著)

そんなわけで、モダンと名がつく通りここには現代美術を代表する画家やアーティストの作品が数多く集まっています。
美術の教科書に載っている作品から、不思議な巨大オブジェなど気になったものを紹介します。

「ジャンヌ・エビュテルヌ1918」Amedeo Modigliani

瞳のない目、首の長い女性、特徴的な人物画を描いたモディリアーニ。
アフリカ美術、イタリアの古典芸術からヒントを得た表現方法だそうな。
この絵のモデルは14歳年下の内縁の妻ジャンヌ・エビュテルヌ。彼女をモデルに多くの絵を残しました。
しかし貧乏、不摂生、薬物依存の影響で病気がちだったモディリアーニは35歳で死去。
彼女が長女を出産後も彼女の両親は二人の結婚を認めず、モディリアーニが亡くなると彼女も両親の住むアパートから身を投げてしまいました。
1920年に亡くなる2年前に描かれた、なにやらロマンチックな逸話付きの作品です。

「Water-Lilies after 1916」 Claude Monet

印象派の中心画家モネの睡蓮。
自宅に日本風の池を作って睡蓮を植え水面の表現と格闘し続けたモネ
筆の痕跡を見せないのが伝統的な絵画の鉄則でしたが
絵の具は混ぜるほど濁り、黒に近づいていくという原則に対抗するように、
明るさの低下を避けるために原色同士を並べて表現する技法(筆触分割)を生み出しました。

「Still Life 1946」 Giorgio Morandi

落ち着いた色彩の静物画が多いモランディ。
1920年代に自身のスタイルを確立してからはひたすら卓上の静物画を描き続けました。
モチーフとしていた水差しや、瓶、お椀などは配置を変え何度も作品に登場。
かなりの引きこもりっぷりを感じます。親近感の湧く作品。

「Babel 2001」 Cildo Meireles

薄暗い部屋の中に突然現れる光るタワー
近づくと何層にも重ねられた中古ラジオ、様々な局にチューニングされ最小音量でそれぞれの音を出しています。

「Meditation (with eyes open)2011」 Atul Dodiya

インドのアーティスト。3つのガラスのキャビネットの中に超個人的なアイテムを並べています。よく見るとインドのお土産物屋さんにありそうな置物も。
自分だったら何を入れようかな?
ちょっと作ってみたくなる作品。

「700 Nimes Road 2010-11」Catherine Opie

アメリカの写真家。女優エリザベス・テイラーの部屋を撮影した50枚。
どうみても高価そうなジュエリー、色違いで並ぶブランド物のシューズなどをモチーフにしながらいやらしさを感じさせず、テイラーの生活の記録写真になっています。

他にも色々、、、

全く関係ないけど。
右の絵をみて穂村弘さんのエッセイ『にょにょにょっ記』の表紙を思い出した。
イラストレーターのフジモトマサルさんが絵を描いています。

なんとなく聞き流してしまいそうな世の中のニュースや当たり前になっている常識について変な角度からグイグイ掘り進んでいく日記です。おもしろいです。ぜひ。

「テイト・モダン」にはそれぞれの展示スペースに個性の強い作品が散りばめられています。

アートってとっつきにくいな、、理解できないな、、興味持てないな、、と思っている人も「テート・モダン」を一周したらきっとお気に入りの作品や好きなジャンルのアートを見つけられるんじゃないかと思います。

いまいち美術館って退屈そうと思っているあなたにこそオススメのスポットです。

ここはミュージアムショップが充実している印象でした。まずは画集やポスターからアートのある暮らしを始めてみませんか?
ちょっとだけ、月に行っちゃう大富豪の気持ちがわかるかも。

では。